美しき「モナコの休日」7日間

〜観光編〜

フランスに隣接し、地中海に面したモナコは、世界中の人びとが憧れてやまない高級リゾート地。ひとつの“街”ほどの小さな国土に、格式高いカジノやホテル、ヨットハーバーや有名レストランなど多彩な楽しみが凝縮し、観光にも事欠きません。その見どころをご紹介します。

モナコの華麗なる歴史を物語る「カジノ・ド・モンテカルロ」

モナコ公国ほどに、ヨーロッパならではの華麗なる世界に触れられる場所はないでしょう。世界中から多くのセレブリティや富豪が移り住んでいることも、華やかな雰囲気が漂う理由のひとつ。世界でも有数の治安のよさも大きな魅力です。

(C) MONTE-CARLO Société des Bains de Mer

モンテカルロの中心にたたずむ「カジノ・ド・モンテカルロ」の周辺は
もっとも華やかなエリア。

滞在していただくホテル「オテル・エルミタージュ・モンテカルロ」は、モンテカルロ地区の中心、カジノ広場から至近の距離。広場正面にはモナコを象徴する「カジノ・ド・モンテカルロ」がたたずみます。創業は1863年。パリのオペラ座を設計した建築家シャルル・ガルニエが手がけ、重厚な外観と、宮殿を彷彿させる豪奢な内装が当時のヨーロッパ社交界の優雅さを物語ります。

モナコ公国が威信をかけて建造した「カジノ・ド・モンテカルロ」は華麗そのもの。
(C) MONTE-CARLO Société des Bains de Mer

かつて高級カジノはヨーロッパ貴族の社交の場だった。
(C) MONTE-CARLO Société des Bains de Mer

(C) MONTE-CARLO Société des Bains de Mer

夜には今も、着飾った人びとがルーレット台に集まり華やぐ。映画「007」の1シーンにも。

嬉しいことに、カジノ内ではゲームに興じずとも、見学や食事を楽しむことができます。どの部屋に足を踏み入れても贅を尽くした空間が広がり、芸術的な絵画と彫刻、細部に至るまで施された装飾にはため息が漏れ、圧倒されることでしょう。

カジノ内のレストラン「ル・サロン・ローズ」の窓の外には紺碧の海が延々と広がり、優雅さのなかに心地よい開放感が満ちているのが印象的です。

地中海を望むカジノ内の優雅なレストラン「ル・サロン・ローズ」。
(C) MONTE-CARLO Société des Bains de Mer

窓からの明るい陽光と戯れるような彩りの地中海料理。
(C) MONTE-CARLO Société des Bains de Mer

豪華列車をイメージしたイタリア料理のレストラン「ル・トラン・ブルー」も。
(C) MONTE-CARLO Société des Bains de Mer

また、カジノ内にはブティックも。ここでしか入手できない商品が置かれているので、ギフト選びに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

館内のブティックではここにしかないオリジナル商品が販売されている。
(C) MONTE-CARLO Société des Bains de Mer

「カジノ・ド・モンテカルロ」の周辺には高級ブランドのショップが並び、ショッピングを兼ねた街歩きも楽しむことができます。広場の一角にある、カジノとともに歳月を重ねてきた歴史あるブラッスリー「カフェ・ド・パリ・モンテカルロ」も外せません。いつの時代にも優雅な紳士淑女が集うシンボリックな場所で、食事やお茶を嗜みながら、洒落た人びとを眺めるのもモナコならではのひとときを楽しめます。

街に点在するグレース公妃ゆかりの憩いの場

さらにモナコ滞在中は、女優から公妃へと転身した物語が美しく語り継がれ、身も心もこの国に捧げたグレース公妃ゆかりの場所も訪れたいもの。純白の「モナコ大聖堂」にはグレース公妃とレーニエ3世がともに眠り、グレース公妃亡き後にレーニエ3世が造らせた「グレース公妃薔薇園」には、公妃が愛した6,000本もの薔薇が咲き誇ります。薔薇の季節である5月には、ハート型の庭園に芳しい香りが漂うことでしょう。また、日本の美を愛したグレース公妃の遺志を継ぎ、レーニエ3世が日本の造園家に造らせた日本庭園を散策するのも一興です。地中海を一望する庭園が、新鮮に感じられることでしょう。

  • グレース公妃とレーニエ3世がともに眠る
    ロマネスク・ビザンチン様式の「モナコ大聖堂」。
    (C) MONTE-CARLO Société des Bains de Mer

  • グレース公妃を偲んで造られた
    ハート型の薔薇園には、公妃に捧げられた薔薇も。
    (C) MONTE-CARLO Société des Bains de Mer

グレース公妃の遺志を継ぎ、日本の造園家、別府保夫氏によって
1994年に完成した日本庭園。(C) MONTE-CARLO Société des Bains de Mer

このほか現在も大公一家の住まいである「大公宮殿」や、レーニエ3世が収集したクラシックカー約100台を展示する「モナコ大公自動車コレクション博物館」、大公宮殿から歩いてすぐの場所にあるグレース公妃の婚礼の引き菓子にもなった公室御用達「ショコラトリー・ド・モナコ」ではチョコレートをお土産にいかがでしょうか。
少し足を伸ばして息を呑む絶景が広がる断崖絶壁の小さな村エズや、ニース市内の「シャガール美術館」を訪れるなど、滞在中の楽しみは尽きることがありません。

地中海を見渡す断崖にある「大公宮殿」には現在もモナコ大公一家が住まう。
(C) MONTE-CARLO Société des Bains de Mer

比類ない体験と、美しい見どころにあふれる公国、モナコ。ヨーロッパの古きよき美意識とラグジュアリーを体現し、今日も世界中の人びとが憧れるこの国への旅は、生涯忘れがたい、麗しくも鮮烈な印象を残すことでしょう。

Text:Mari Maeda(lefthands)

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