開業から90年を迎えた「リーガロイヤルホテル大阪 ヴィニェット コレクション」。皇室をはじめ世界の賓客をもてなし、「大阪の迎賓館」としてその名を刻み、長い歴史の中で常に進化を遂げてきました。そんなホテルが2025年1月に大規模リニューアルを終え、同年4月にIHGホテルズ&リゾーツのヴィニェット コレクションとしてリブランド。開業以来、ビジネスでもレジャーでも安心できると評判のホスピタリティをはじめ、受け継ぐべき伝統はそのままに、ロビーや客室、ラウンジなどが刷新されました。伝統と革新が溶け合う空間には、訪れるたびに新しい発見があり、心に残る特別な滞在が約束されています。【2025年10月時点情報】
Photo:Katsuo Takashima
Edit&Text:Misa Yamaji(B.EAT)
大阪・ラグジュアリーホテルの
パイオニアがリニューアル
「リーガロイヤルホテル大阪 ヴィニェット コレクション」の前身は、1935年(昭和10年)に政財界の要望を受け誕生した「新大阪ホテル」です。1953年(昭和28年)には現在の中之島へと移転し、建築家・吉田五十八氏が手がけた現在のモダニズム様式の建物が完成。
以降、格式あるホテルとしてゲストをもてなし、大阪を代表する迎賓館として、皇室をはじめとする国内外の賓客を迎えてきました。
そんな歴史を持つホテルが、創業90周年の節目、2025年に大規模リニューアル。
ロビーや客室、クラブラウンジ、フィットネスが現代のライフスタイルに合わせて刷新される一方、ホテルの象徴であるメインラウンジやスイミングプール、リーチバーなどはその姿を守りつづけています。進化すべきものと守るべきものを見極めながら、新しい魅力をまとって生まれ変わりました。
また、このリニューアルを機に、IHGホテルズ&リゾーツが展開する「ヴィニェット コレクション」に加盟。「ヴィニェット コレクション」は、2021年に誕生したラグジュアリー&ライフスタイルブランドです。
このブランドはホテル独自の歴史や物語を大切にしながら、「旅を通して世界の人々やコミュニティに貢献する」という共通のビジョンを掲げ、IHGホテルズ&リゾーツの“Journey to Tomorrow”の理念のもと地域社会とつながっています。
「リーガロイヤルホテル大阪」もまた、数々の主賓を迎えてきた迎賓館としての歴史を守りながら、世界から人々が訪れたくなる大阪随一のホテルを目指しています。
ロビーは「伝統美と水の融合」をテーマに、光と広がりを意識した空間へと刷新されました。ラウンジゲスト専用チェックインカウンターを新設したことで開放感が生まれ、ゲストをゆったりと迎え入れます。正面には、西陣織の老舗・HOSOOが手がけた屏風。立体的な「ふくらし織」で水の流れを表現し、中之島の地を象徴する景色を映し出しています。
その奥に広がるメインラウンジは、25万個のガラスで構成されたシャンデリア「紫雲」と、日本庭園を望む静謐な眺めが今も変わらず訪れる人を魅了しています。
大きく生まれ変わった
客室とロイヤルラウンジ
ホテル全体で約1,000室ある客室は、今回の改装で大きな変化を遂げました。これまでデザインがまちまちだった空間は「伝統美と水の融合」をテーマに統一され、どの部屋でも一貫した美意識を感じられるようになりました。
カテゴリーはスタンダード、スーペリア、デラックス、スイート、そしてロイヤルクラブフロアと多彩で、旅の目的に応じて選ぶことができます。
シモンズ製のベッドが導入され、寝心地も大幅にアップ。深いグリーンを基調にスモーキーなピンクをアクセントとした配色が落ち着きを演出し、欧米のスモールラグジュアリーホテルのようなたたずまい。
ヘッドボードには書家・川尾朋子氏のアートが飾られ、和の精神とモダンデザインが調和する空間へと生まれ変わりました。
また、すべての部屋にミニバーを設置。ご当地ラムネや大阪ならではの「みっくちゅじゅーちゅ」などのバーメニューラインアップに、ヴィニェット コレクションならではの遊び心がうかがえます。
フードメニューが
充実のラウンジ
滞在するなら、ぜひ「ロイヤルラウンジ」アクセス付きの「ロイヤルクラブ」の部屋がおすすめです。
改装されたロイヤルラウンジは席数が増え、朝食、ティータイム、カクテルタイムと一日を通してフードやドリンクが楽しめるようになりました。
さらに、ヴィニェット コレクションならではの体験として、大阪の駄菓子「カタヌキ」に挑戦できるユニークなサービスも。
大人も子どもも夢中になれるこの遊び心と格式が共存する空間は、まさにこのホテルの新しい魅力を象徴しています。
大型ホテルならではの
豊かなダイニング体験
ホテルには20軒のレストランとバーがあり、和洋中の本格料理からカジュアルなダイニングまで、気分に合わせて選べる種類の多さが魅力です。
宿泊者なら、これらのお店に出向かずとも料理をルームサービスできるのが嬉しい。例えば「小鯛雀鮨 すし萬」では大阪寿司を、「道頓堀 今井」では名物のきつねうどんを、といったように家族それぞれが異なる店からオーダーし、部屋で味わえるのもこのホテルならではの楽しみです。
今回のリニューアルで新しく生まれ変わったレストランは、明るく開放的な雰囲気の「オールデイダイニング リモネ」です。
朝食からディナーまで幅広い時間帯で利用でき、ホテルの新しい顔として注目を集めています。
今も昔も変わらぬ人気「鉄板焼 なにわ」
一方で、長年愛されてきたレストランも健在。中でも特におすすめは「鉄板焼 なにわ」です。
神戸牛をはじめ、アワビや車エビなど厳選された食材を目の前で調理するライブ感は圧巻。厚みのあるアワビが熱に反応する様子や、立ちのぼる香ばしい香りなど、五感を刺激する体験が楽しめます。
パーテーションで仕切られたプライベート感のある席でゆったり食事ができるのも魅力。長く愛されてきた鉄板焼きは、ホテルを代表する食の象徴です。
より充実したウェルネススペース
現代のニーズに応えて、宿泊者専用フィットネススペースも新設。
24時間利用可能で、テクノジム社の最新機器を完備。旅の合間に気軽にからだを動かせる環境が整いました。
一方で、アネックス棟にある「ロイヤルスイミングクラブ」は、創業以来変わらぬ格式を誇る社交の場として健在です。
ここは地元の名士たちが集うクラブとして知られ、長年にわたり大阪の社交文化を育んできた場所。競泳用の本格的なプールやサウナ、水風呂を備えた浴場は、クラブフロア宿泊者であれば無料で利用可能です。
ビジネスでも観光でも
どんなシーンでもフィットするホテル
90年の歴史を誇る「リーガロイヤルホテル大阪」は、時代に合わせて進化する部分と、守りつづけるべき伝統を見極めながら進化をしつづけています。ビジネスでも、記念日利用でもゲストのあらゆるシーンで心地よい滞在を約束してくれる選択肢の多さも魅力的です。
また、「ヴィニェット コレクション」の一員になり、今まで以上に大阪という街の文化と物語を積極的に発信するようになったことで、滞在の楽しさが増えました。
今回取材したのは夏でしたが、ロビーではさりげなく訪れたゲストに“ひやし飴”が振る舞われていました。そんなところにも大阪の物語の片鱗が伺えます。
昔ながらの格式ある大型ホテルでありながら、温かく距離感の近いホスピタリティはこちらのホテルの魅力でしょう。
訪れるたびに発見がある、都市型ラグジュアリーホテルの新しい形がここにあります。
このホテルの魅力
- 開業から90年を迎えた「大阪の迎賓館」と呼ばれた格式あるホテル。2025年1月に大規模リニューアルを終え、同年4月からIHGホテルズ&リゾーツのヴィニェット コレクションに加わった。
- 伝統あるメインラウンジやスイミングプールなど、ホテルの象徴的な場所はそのままに、客室やフィットネスクラブは現代のお客さまをお迎えするにふさわしい最新設備に。
- ロイヤルラウンジでは、格調高いアフタヌーンティーなどのサービスに加え、大阪の駄菓子「カタヌキ」も楽しめ、大阪らしい笑いのあるひとときを過ごせる。
- レストランとバーが20軒あり、宿泊客はルームサービスで利用できる。新しくなった「オールデイダイニングリモネ」から、長年愛される「鉄板焼き なにわ」まで、ホテルの中で豊かなダイニング体験を。