千光寺は広島県尾道市にあるお寺で、山の中腹に位置します。尾道港を中心に、美しい港町の姿を一望することができる有数の観光スポットです。千光寺公園駐車場から千光寺まで徒歩10分程で到着できますが、景色を楽しむならロープウェイでのお参りがおすすめです。山の麓から山頂まで所要時間は約3分、日本遺産に指定されている尾道の街を見渡せます。

遠くの海上まで照らす光る宝玉があったという伝説に基づいた玉の岩をはじめ、鏡岩や鼓岩などの奇岩が多い境内です。赤堂とも呼ばれている本堂は、高低差のある土地に柱と貫で床を支える舞台造りをしているため高い位置にせり出した形状をしています。ご本尊の千手観世音菩薩は、家内安全、子授け、交通安全から試験合格、縁結びまで所願成就の観音様としてお詣りされています。

千光寺から歩いて5分ほど下ると細い坂の路地があり、これが次のスポットである猫の細道です。猫の細道は、芸術家園山春二さんが創造する空間「尾道イーハトーヴ」にあるシャトーと呼ばれる館を結ぶ路地です。猫が描かれた「福石猫」と呼ばれる丸い石が置かれはじめたことから、この愛称が付けられました。福石猫は猫の細道を中心に尾道市内に1000匹以上住み着いているそうです。

シャトーは大正から昭和初期に建てられた古民家を改装し、美術館やレストラン、カフェ、バー、小物ショップなどとして利用されている建物です。近隣の古民家や廃屋をシャトーとして再生しアートを展示し、園山さんの追い求める理想郷尾道イーハトーヴを形成しています。

再生された古民家が並び、緑とシャトー、アートが融合したイーハトーヴにある猫の細道。アニメや、物語などの創造物の世界に来たような感覚を味わえると人気のスポットです。シャトーから見える尾道水道や、尾道の街を眺めながら散策してみてはいかがでしょうか。

向島（むかいしま）は、本州からしまなみ海道の新尾道大橋を渡った最初の島です。昭和の街並みを残した映画等のロケ地としても有名な向島兼吉地区や、自家製のラムネやサイダーを製造販売している工業所、向島の温暖な気候が育てた洋ランを販売している向島洋らんセンターなど多くの見所があります。中でも必見ドライブスポットは高見山とイチジク園です。

高見山は、国立公園に指定されているしまなみ海道屈指の絶景スポットです。頂上にある展望台からはしまなみ海道をはじめ、瀬戸内海に浮かぶ島々を一望でき、晴れた日には四国連山まで見渡せます。桜や紅葉に染まる山など季節ごとに変化していく姿を見ることができ、また日の出から夜景まで美しい景色が見られる、何度でも訪れたくなるスポットです。

尾道の特産にもなっているイチジクのもぎとり体験ができるのが、万汐農園の海辺のイチジク園です。もぎとったイチジクは量り売りをしているので、おみやげとして持ち帰ることができます。用意された日本イチジクからジャムやジュースを造る体験もできます。

向島から全長770mの因島大橋を渡ると因島（いんのしま）に到着します。橋自体の景観も美しく、瀬戸内の景色を眺めながら因島大橋を渡るしまなみ海道のドライブは爽快そのものです。

そして因島といえば日本を代表する海賊、村上海賊（村上水軍）の本拠地のひとつがあった場所です。村上海賊の城型資料館である因島水軍城は必見。島の真ん中あたりにある、丘の上に建っています。武具や遺品、古文書など歴史資料の他、写真展示もあり芸予諸島を守っていたとされる村上海賊の歴史を感じられるでしょう。

因島八景として因島水軍城を含む、8箇所の絶景スポットがあります。因島を訪れたら、ドライブで巡るのも一興です。

生口島は因島から生口橋を渡った先の3つめの島です。生口島は“島ごと美術館”と呼ばれ、島内17箇所に現代アート作品が設置されています。他にも、5000平方メートルの広さの白い大理石でできた庭園「未来心の丘」も芸術的な場所として有名です。

生口島（いくちしま）は全国有数の柑橘類の産地で、中でもレモンの生産量は日本一を誇ります。多々羅大橋あたりにある垂水地区一帯は、自然とレモン谷と呼ばれるようになりました。

2023年3月19日には「第7回せとだレモン祭」も開催されます。レモンを使用したグルメ屋台が出店されるほか、レモンの皮を積み上げたり、レモンの丸かじりのタイムを競ったりなどユニークな選手権も行われます。

レモン谷から5分程ドライブすると、瀬戸田サンセットビーチがあります。800m続く白い砂浜から、沈んでいく夕日が空と瀬戸内海をオレンジ色に染めていく、非日常の美しい姿は必見です。