今回は東京方面から車で1時間ほどの場所にある、狭山湖からスタートします。所沢市と入間市の境界にある湖で、正式名称は山口貯水池といいます。東京都の水不足を解消するために、昭和9年に作られた人造湖です。

周辺には県立狭山自然公園があり、春にはソメイヨシノやヤマザクラなど2万本もの桜、秋には木々を彩る紅葉、冬の湖から見える富士山や夕日は絶景です。四季の美しい情景が多くの人に愛され「ダム湖百選」や埼玉県の「自然百選」にも選ばれました。水鳥の越冬地にもなっているため、バードウォッチングも楽しめますよ。

狭山湖の夕日を満喫したら、夜景までの時間に川越にある蔵造りの町並みの散策はいかがでしょうか。川越はかつて、江戸まで続いている新河岸川を使って食料を運ぶ重要な地点として栄えました。今でもその風情を残していることから「小江戸」とも呼ばれています。

平成11年12月には国の「重要伝統的建造物群保存地区」に、平成19年1月には「美しい日本の歴史的風土100選」にも選定されています。

毎日6時、12時、15時、18時の4回、自動で鐘を鳴らしているのは、高さ16.2mの木造三層構造の鐘楼「時の鐘」です。この鐘の音は、環境省の「残したい日本の音風景100選」に選ばれています。冬の狭山湖周辺の日の入りは16時半前後なので、急いで川越に向かえば18時の鐘に間に合うかもしれません。

また土産屋やカフェ、食事処など、多くの店が立ち並んでいますが、夕方までのお店も多いので、食べ歩きや買い物は昼間に訪れるのがおすすめです。

蔵造りの町並みを堪能したら、美の山公園へ向かいます。単独峰である蓑山（みのやま）の山頂にあり、展望台からは秩父市の夜景が一望できます。晴れの日には、街の夜景とともに満天の星が見られるかもしれません。この美しい夜景は、「日本夜景100選」に選ばれました。

公園内には四季折々の風景を楽しめる、ハイキングコースが整備されています。4月から5月には桜、5月にはツツジ、6月から7月にはアジサイが見頃です。秋には紅葉、冬には雪が積もるため他の季節にはない表情が見られます。季節も時間帯も問わず、楽しめますよ。

夜が更けてきたら、秩父市と小鹿野の境にある秩父ミューズパークに向かい、更に夜景を楽しみます。いくつかある展望スポットの中でも「こもれび広場展望台」がおすすめ。180度パノラマで夜景を見られ、気象条件が揃うと雲海を見られるかもしれません。展望台に直接向かう場合は、P10展望台駐車場に車を停めるとスムーズです。

秩父は卒業ソングとして有名な「旅立ちの日に」の発祥地で、その名の付いた展望デッキもあり、秩父市の夜景を一望できます。日没から21時まではライトアップも一緒に楽しめますよ。

夜景だけではありません。3km続くスカイロードでは、季節の花々を見ながら散歩やサイクリングができます。スカイトレインという汽車型の移動施設がスカイロードを往復しているため、園内の移動にも便利。1日5往復、5つの地点をつないで走っています。乗り降り自由なので、移動の途中にある遊具で子どもを遊ばせることもできますよ。

夜景スポットを存分に巡ったら、宿泊先で身体を休めて朝日に備えます。早朝の日が昇る前の三峰神社からスタート。三峰第二駐車場は夜間も利用可能なので、車内で休んでから朝日を見に行くこともできます。

三峰神社は関東最大のパワースポットとしても有名です。標高1100mのところにあり、鳥居からでも絶景が広がりますが、境内でも「遥拝殿」が特に人気の絶景スポットです。ここからは雲海が見えやすいため、運が良ければ贅沢な景色を味わうことができるかもしれませんよ。

朝日や雲海を眺めたら、参拝はいかがでしょうか。伊弉諾尊（いざなぎのみこと）や伊弉冉尊（いざなみのみこと）が祀られている本殿や、随神門、日本武尊銅像など他にも見所がたくさんあるので、ぜひ見て回ってみてくださいね。