塔のへつりは、南会津郡下郷町にある渓谷です。「へつり」とは、会津地方の方言で断崖を意味します。長い歳月をかけて侵食と風化を繰り返し作り出された奇岩怪石が、塔のようにそびえ立つ景観が特徴です。1943年には、国の天然記念物にも指定されました。

渓谷にかかるつり橋を渡ると、自然に削られてできた断崖の道の散策を楽しめます。中でも虚空蔵菩薩（こくうぞうぼさつ）が祀られているお堂は見逃せません。虚空蔵菩薩は知恵や福徳をもたらす神様で、成績向上や記憶力増進、商売繁盛のご利益が授かれると言われています。

季節ごとに違う色彩を楽しめるのも魅力の一つです。特におすすめの季節は秋で、紅葉のオレンジと水面のエメラルドグリーンのコントラストは必見です。冬の間つり橋は通行止めになるので、注意しましょう。

猪苗代湖（いなわしろこ）は日本で4番目に大きい湖です。湖水の透明度が高く、鏡のように空を映す様子や隣にそびえ立つ磐梯山（ばんだいさん）を映し出すことから天鏡湖（てんきょうこ）とも呼ばれています。他にも水流の作用により、球状または楕円形になる珍しいコケの「ミズスギゴケ群落」が生育していることでも知られていて、1935年に国の天然記念物に指定されています。

季節ごとに違う景色が楽しめるのも猪苗代湖の特徴の一つです。春には湖のほとりに桜が咲き誇る景色が見られます。夏は湖水浴やキャンプ、ウォータースポーツが楽しめるため、子供連れの家族が訪れるのにもうってつけです。

秋には磐梯山や周辺の木々が紅葉し、色彩豊かな景観が楽しめます。冬は白鳥の飛来地としても有名。雪化粧をした磐梯山と白鳥が織りなす、息を呑むほど美しい景観は、一見の価値ありです。他にも、厳しい寒さの中で作られる「しぶき氷」も見られます。

ドライブを思いっきり楽しめるスポットとして「磐梯吾妻スカイライン」は、見逃せません。全長約29kmの観光道路で、「日本の道100選」の一つとしても知られています。

山々が広がる壮大な景色が見られるのが特徴です。紅葉の名所としても有名で、赤や黄色に色づく景色を一目見ようと多くの人が訪れます。

ドライブコースの途中にある吾妻八景（あずまはっけい）と呼ばれる八つの絶景スポットは見どころです。中でも「つばくろ谷」は、必見。高さ80mの不動沢橋から眺める景観や、駐車場から不動沢橋越しに見る福島盆地は、ここでしか見られない美しさです。駐車場とトイレが完備されているので、ドライブの休憩にも最適ですよ。

入水鍾乳洞は国の天然記念物にも登録されている鍾乳洞です。全長は約900mあり、入洞の際はAコースとBコースから選択可能。Aコースは、事前準備なしでも見学できる150mのコースです。Bコースは450mあり、幅の狭い石の間をくぐり抜けたり、天井の低い場所を屈んで進んだりと、より本格的な探検気分を味わえます。ただし水に濡れることが前提のコースのため、着替えは忘れず持参しましょう。

どちらのコースも足場が不安定なところが多いため、足の疲れを少しでも和らげるためにも歩きやすい靴で行くことをおすすめします。狭く暗い場所を長時間歩き、体力も消耗します。子どもを連れていく際は、狭くて暗い道を子ども自身で歩けるのかを事前に家族で検討してから入洞しましょう。なお赤ちゃんの入洞は危険が伴うためできません。

塩屋岬は海抜73mの沿岸にある岬です。シンボル的存在の塩屋埼灯台は、全国に16基ある「のぼれる灯台」のうちの一つです。最上階へ上がると、目の前に海が広がる景色を一望できます。潮風を浴びながら海を眺める時間は、日々の忙しさを忘れさせてくれるでしょう。

他にも灯台の外からの景色も見どころの一つ。青い海に白い灯台がよく映えるため、写真を撮るにも絶好のスポットです。

他にも美空ひばりのゆかりの地としても知られています。塩屋埼灯台のふもとには美空ひばりの慰霊碑があり、全国からファンが集まります。この場所が舞台となった遺作「みだれ髪」の歌碑に近づくと歌が流れてくるため、辺りの情景がより豊かに見えてくるのではないでしょうか。