山間にひっそりと佇む「幣立神宮」は、九州のおへそとも呼ばれる山都町にあります。日本で一番古い神社と呼ばれたり、古代人による争いを心配して天の神様が地上に遣いを送った場所と考えていたりなど、さまざまな伝承を残すスポットです。

山都町の天然記念物に指定されている『五百枝杉（いおえすぎ）』は、見どころのひとつ。参道の中央に位置し、樹齢6000年を超えるという説もあるほど、歴史のある杉の木です。名前の通り数多く分かれている枝振りは、スピリチュアルな雰囲気を醸し出しています。

幣立神宮の奥にある『東御手洗社（ひがしみたらいじんじゃ）』も、ご利益が授かれるスポットです。中でも幣立神宮の水源地である本殿横の「水玉の池」は、見逃せません。饒速日命（にぎはやひのみこと）が池の水を用いて全国の土地を浄化したと伝えられていて、湧き水を飲めば病気平癒も叶うと言われています。

押戸石山の山頂にある、「押戸石の丘」は約300個の岩石が点在しているスポットです。古代人の祈りの場であったと考えられている場所で、日時計として使われていたとされる「はさみ石」やピラミッド型の「巨石岩」と呼ばれる岩々が見られます。ユネスコ岩石芸術学会が「先史時代の巨石文化遺跡」と認証したことで、謎が多いミステリースポットとしても注目を集めています。

中でも最大の大きさを誇る、周囲15mの「太陽石」は見逃せません。太陽石の裏側は、磁気の流れが正常ではなく、方位磁石を近づけるとぐるっと一周するため、不思議なパワーを感じられます。他にも「石に登ると雨が降る」や「太陽石は鬼が遊んだお手玉である」など、さまざまな言い伝えがあります。

古代文字であるシュメール文字が刻まれた、「鏡石」も見どころです。鏡石に刻まれているのは、蛇神と聖牛。シュメール文字で蛇神は「ナーガ」、聖牛は「バール」と読むことから、押戸石の丘がある『中原（なかばる）』の地名の由来になった可能性が高いと考えられています。

全国に約500社ある阿蘇神社の総本社である「阿蘇神社」は、阿蘇を開拓した健磐龍命（たけいわたつのみこと）をはじめ十二神を祀る由緒正しき神社です。また、神殿や神幸門、楼門などの6棟は国重要文化財に指定されています。中でも楼門は九州でも最大級の規模を誇り、「日本三大楼門」のひとつにも数えられています。しかし平成28年熊本地震により、楼門や拝殿が倒壊。現在復旧工事が進められていて、令和6年に完工予定です。

境内の見どころは、縁結びの松とも呼ばれる「高砂の松」です。樹齢は約1000年前と言われていて、松の周囲を女性は右回りに2回、男性は左回りに2回まわると良縁に恵まれると言われています。

他にも、願い事が叶うとされる「願掛け石」も見どころです。古くから信仰されている「神石」で、室町時代の人々が手で触れて願い事を唱えるようになったのが始まりとされています。心の中で願い事を念じた後に神石を3度撫でて、さらに願い事を唱えると願いが叶うと言われています。

阿蘇の南外輪山の中腹に位置する、高森町にある「高森殿の杉」は、夫婦杉と呼ばれる2本の巨大な杉の木です。樹齢は400年前後で、幹周10mを超える大きな幹から、たくさんの枝が四方に伸びる姿が特徴的です。高森町の天然記念物に指定されていて、地元の人たちの「町の宝」として大事に管理されています。近年では、寄り添う夫婦のようにそびえ立っていることから、縁結びのスポットとしても人気です。

「高森殿の杉」が全国に知れ渡ったのは、ある女優がきっかけです。大きな幹に抱きつきパワーをもらった直後、めでたく結婚が決まりました。そのことが有名になり、県内外を問わず多くの人が訪れる、パワースポットとして人気を博しています。

「蓮華院誕生寺奥之院」は玉名市の北部に位置する小岱山（しょうだいさん）の中腹にあります。平安時代にここで生まれた『皇円大菩薩様（こうえんだいぼさつさま）』を祀っていて、一願成就や厄払いのご利益があるパワースポットとして、年間約20万人もの人が訪れています。

世界最大級の巨大な「飛龍の鐘」は見どころのひとつ。高さは4.55mあり、重さはなんと37.5トンもあります。毎日11時50分に梵鐘祈願が実施され、一般の参詣者6名と僧侶が一緒に大梵鐘をつくことが可能です。毎年、年末には除夜の鐘が鳴り渡り、初詣スポットとしても人気です。

小岱山の頂上にあたる、展望所もせっかくなら立ち寄りたいスポットです。阿蘇の山々や有明海、雲仙岳、グリーンランドなどが見渡せるスポットで、360度開けた景色が楽しめます。「縁結びの鐘」もあり、景色だけでない見どころがあるのも特徴です。