AZUMA FARM Koiwai編
世界各国のホテルを厳選し、さまざまな宿泊特典をご用意する「LEXUS LUXURY HOTEL COLLECTION」。日々世界中のホテルと向き合い、お客さまのためのサービスを追求するトラベルデスクスタッフが、ホテル滞在を実体験し、本音でレポートします。今回訪れたのは、岩手県・雫石町にある創業130年以上の歴史を持つ小岩井農場の敷地内にできたAzuma Farm Koiwai。自然と人との共生をテーマに、世界的ホテリエであるエイドリアン・ゼッカ氏らが立ち上げた新ブランドホテルということで、以前からとても気になっていました。広大な自然の中で、食や農を軸とした滞在型リゾート(ファームライフ)を実際に体験してきましたので、その様子をご紹介します。
【2026年7月時点情報】
Text:Yusuke Kusui
Edit:Misa Yamaji(B.EAT)
1. 世界的ホテリエが手がける新ブランドホテル
岩手県・雫石町にある小岩井農場。約3,000ha(ヘクタール)にも及ぶその広大な敷地内に、2026年4月、Azuma Farm Koiwaiが開業しました。
このホテルのニュースを耳にしたとき、やはり一番惹かれたのが“エイドリアン・ゼッカ氏が手がける新ブランドのホテル”という点でした。あの世界的ホテリエが新たにどのような空間を作ったのか、そんな期待を抱きながら今回の宿泊へと向かいました。
東北新幹線「盛岡駅」よりクルマで25分ほど(無料シャトルバスもあり)、「いわて花巻空港」からはクルマで約1時間の位置に「AZUMA FARM Koiwai」はあります。
ホテルに近づくにつれて、周りの景色は広大な牧草地や深い木々ばかりになっていきました。森の奥には岩手山をはじめとした峰々がそびえていて、本当に大自然の真ん中に来たんだなと、その想像を超えたスケールの大きさに圧倒されました。
建物はどれも小岩井農場の自然に溶け込むように建てられていて、いわゆるラグジュアリーホテルのような華やかさを前面に押し出す感じがありません。むしろ、この場所に昔からあった風景の一部のようにも見えます。
Azuma Farmは、日本の自然や文化に寄り添い、その土地ならではの時間を過ごすことを大切にしているブランド。今回の滞在では、その考え方をさまざまな場面で感じることになりました。
2. 森に溶け込む、木の香りに満ちた空間
レセプション棟に足を踏み入れてまず感じたのは、ふわっと漂う爽やかな木の香り。ホテルに到着したというより、まるで森の中の山小屋に招かれたような温かみを感じます。
こちらのホテルに使われている赤松や杉は、すべて小岩井農場で大切に育てられた敷地内の木々を使用しているのだそうです。だからこそ、窓の外に見える緑の景色とも自然に調和していて、眺めているだけで気持ちが落ち着いていきました。
特に岩手県産の栗の木の柱や、杉トロ(杉の木の柾目の部分)を使った客室の天井はとても美しかったです。スタッフの方々はホスピタリティにあふれ、地元ならではの人懐っこさもあり、とても居心地のいい空間でした。
3. オールインクルーシブがもたらす心地よい自由
レセプションの奥には、ゆったりとしたラウンジスペースがあります。
Azuma Farm Koiwaiはオールインクルーシブスタイルを採用しています。
ラウンジではシャンパンやワイン、日本酒などのアルコール類をはじめ、ソフトドリンクや軽食も用意されており(※)、滞在中は自由に利用することができます。
- 時間帯によって提供されるものが変わります。
散策から戻ってコーヒーを飲む。夕食前にシャンパンを一杯いただく。部屋に戻る前にもう一度ラウンジへ立ち寄る。さまざまなシーンでラウンジを利用しました。
その都度サインをしたりする必要がないので、自由で落ち着いたペースで過ごせます。これこそがオールインクルーシブの本当の心地よさだなと感じました。
ラウンジの大きな窓から外を眺めながら飲み物をいただいていると、つい長居をしてしまいました。
4. 広大な敷地内に点在する24棟のヴィラ
今回、チェックインの手続きは宿泊するヴィラで行われました。
「Azuma Farm Koiwai」の客室はすべて独立したヴィラタイプで全24棟。今回宿泊したヴィラも周囲の自然に溶け込むように建てられており、とても落ち着いたたたずまいです。
室内に入ってまず感じたのが、想像していた以上にゆとりのある空間と、木の優しいぬくもりでした。大きなデイベッドやゆったりとかけられるソファなどもあり、のんびりと過ごすことができました。
5. 小岩井農場と岩手の恵みを味わうダイニング
お待ちかねの夕食は、レセプション棟に併設されたメインダイニングでいただきます。
コンセプトは「Farm to Table」。小岩井農場や岩手県内の食材を中心に、その土地ならではの新鮮な味覚を楽しめるコース料理です。
こちらのディナーで特徴的だったのが、前菜やメイン料理を複数の選択肢から選べる点です。その日の気分やお腹の具合に合わせて組み合わせられるので、コース料理でありながらも自由度が高いなと感じました。
運ばれてくる料理には地元で育まれた野菜や肉、三陸の海の幸などが使われており、どの皿からも岩手らしさが感じられました。
アミューズから始まり、前菜、パスタ、メイン、デザートとどれも本当に美味しいものばかり。焼く、蒸すといったシンプルな調理法で素材の持ち味を活かした料理が多く、それはこの地の食材の素晴らしさを物語っているかと思います。
シャンパンや岩手産のワインも多数用意され、ソムリエの方と相談しながら、料理に合わせてお酒を楽しむ時間は格別でした。食材の産地や背景に思いを巡らせながら「Farm to Table」の美味を堪能しました。
一泊だけですとこちらのメインダイニングのみですが、2泊以上した方だけが利用できる、「熾火」という炭火焼の和食レストランもあるそうです。隠れ家のような特別感があり、次回はぜひ体験してみたいと思います。
6. 朝の小岩井農場を味わう朝食
翌朝の楽しみは、小岩井農場ならではの恵みをいただく朝食です。
牛乳やヨーグルト、チーズ(カチョカバロ)、ハムやソーセージなど、小岩井農場を代表する乳製品やシャルキュトリーが並び、あらためてこの場所ならではの魅力を感じました。
朝食には三陸産の鮭や地物野菜、岩手の郷土食材を使用した和朝食もあります。
朝食は和食または洋食をベースに選べますが、それぞれの枠にとらわれず、好きな料理を自由に組み合わせられるのも魅力です。
ここでもオールインクルーシブならではの自由度があり、その日の気分や好みに合わせた朝食が楽しめました。
7. サウナやアクティビティで自然を楽しむ
こちらのホテルでは、大自然を身近に感じられるさまざまな無料アクティビティも用意されています。養生ストレッチや星空観賞、広大な牧草地を自転車で走るパノラマライドなど、どれも魅力的です。
- 乗馬体験やネイチャーハイキング、東北文化に触れる体験などの有料アクティビティもあります。
また、ジムやプールはありませんが、貸し切りのサウナ(別途有料)が3棟あり、広々とした空間と窓の外に広がる自然を眺めながら、ゆっくりととのうことができました。これはぜひとも体験していただきたいです。
トヨタファイナンス トラベルデスクを通じてご予約いただくと、10,000円のホテルクレジットが付くため、サウナや有料アクティビティなどに充てるのがおすすめです。
8. 何もしない時間が、旅を豊かにする
「Azuma Farm Koiwai」の周りには、小岩井農場をはじめ、盛岡市内や八幡平エリアなど、魅力的な観光スポットが数多くあります。
クルマで訪れるなら、八幡平アスピーテラインや岩手山パノラマラインもあり、ドライブ好きにはたまりません。また、近くには工房見学ができる「グランドセイコースタジオ 雫石」(工房見学は要予約)もあり、ドライブとあわせて立ち寄ってみるのもおすすめです。
周辺には魅力的な観光スポットもあり、ホテルでは、ラウンジでお酒を飲んだり、ヴィラの窓辺で景色を眺めたりしながら、思い思いの時間を過ごしました。今回の滞在で印象に残ったのは、何か特別なことをする時間ではなく、何もしない時間の心地よさでした。
エイドリアン・ゼッカ氏が手がけてきたホテルには、その土地の自然や文化に身を委ねながら過ごすという考え方が息づいています。Azuma Farm Koiwaiもまた、小岩井農場という土地の魅力を静かに感じさせてくれる場所でした。
慌ただしい日常から少し離れ、広大な自然の中で何もしない時間を楽しむ。その豊かさをあらためて教えてくれる滞在となりました。