温泉と美食を楽しみ、湯けむりを見下ろす「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」

IHGホテルグループが「LEXUS LUXURY HOTEL COLLECTION」の仲間に加わった。数ある中からご紹介するのは、「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」。ここは、昔から変わらず湯けむりが上がる別府の象徴的な眺めを、高台から一望できる稀有なホテルだ。絶景と温泉の泉質のよさもさることながら、世界的なアワードを受賞したスパ、和洋どちらも楽しめる美食などホテル滞在の楽しみも豊富。源泉数日本一の大分・別府が誇るラグジュアリーホテルを紹介しよう。【2025年9月時点情報】

Text:Misa Yamaji(B.EAT)

このホテルの魅力

  • 別府の街と海を高台から見晴らす絶好のロケーションで、全客室に付いたテラスからの眺望は抜群。
  • クラブインターコンチネンタルとスイートの客室は、テラスに専用露天風呂付きで特におすすめ。
  • 館内の「ハーン ヘリテージスパ」のトリートメントは世界的な評価が高く、温泉はもちろん、スパでもリラックス。
  • 豊後の海から届く海の幸を楽しめる鮨レストラン「豊後前 霧翠」をはじめ、レストランでは地元産の食材に舌鼓。
  • 江戸時代から続く“湯の花小屋”が今も稼働している明礬温泉や、薬草を使った「むし湯」で有名な鉄輪温泉など周辺の温泉地にも簡単に足を延ばすことができる。

湯けむりの街を見下ろすホテル

別府を訪れると、まず目に入るのは町のあちこちから立ちのぼる湯けむりだ。
明礬(みょうばん)、鉄輪(かんなわ)、浜脇(はまわき)などの温泉郷が、街のくらしに溶け込むように点在している別府。源泉の数も湧出量も日本一。地熱の豊かさがそのまま独特の風景となり、訪れる人を楽しませている。

高台にあるため眺望が抜群。

その別府の高台に、2019年に開業したのが「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」だ。敷地内のほぼすべての場所から、別府湾と市街地を見下ろすことができる。湯けむり越しに見る、光る海と山の稜線は、時間帯によって表情を変える。
ホテルの空間構成は、自然との距離感に配慮されている。ロビー、レストラン、大浴場、客室の多くが外に開かれ、壁や床には木、石、竹など大分の素材が用いられている。

ラウンジアクセス付きのクラブインターコンチネンタルルーム。

客室は全室テラス付き。内部は明るい木目と柔らかな間接照明で統一され、バスエリアとベッドスペースの間には、ヒノキの無垢材を使ったパーティションがしつらえられている。クラブインターコンチネンタルとスイートのカテゴリーでは、テラスに専用の露天風呂が付くのでこちらの滞在がおすすめだ。

クラブインターコンチネンタルルームには、テラスに露天風呂が。

大浴場の露天風呂からも、別府の街と湾が一望できる。

晴れた日には水平線の向こうまで見通すことができ、日没の時間帯には空の色が湯面に映り込む。男女の浴場は日ごとに入れ替わる仕様で、滞在中に異なる作りの露天風呂と景観を楽しめるのも嬉しい。

別府の平野と目の前の湾を見下ろす温泉。

館内のスパ施設「ハーン ヘリテージスパ」は、タイの伝統医学と自然療法に基づいたトリートメントを提供している。2022年には「ワールド・ラグジュアリー・スパ・アワード」で“Luxury Hot Springs”部門を受賞。2024年には「Travel + Leisure Luxury Awards Asia Pacific」でホテルスパ部門第1位に選ばれているなど、評価も高い。

落ちついた雰囲気のトリートメントルーム。

食の構成は3つのダイニングで成り立つ。「エレメンツ」はオールデイダイニングでセミビュッフェ形式、「アトリエ」では炭火焼きを軸としたコース料理を供する。2025年6月には、鮨レストラン「豊後前 霧翠(ぶんごまえ・むすい)」が加わった。

眺望のよい「エレメンツ」のテラス。朝食時には人気の場所だ。

「豊後前 霧翠」では、鮨の「おまかせコース」が昼と夜にいただける。
豊後の海から届く地魚を中心に、県産の野菜や柑橘、地元の調味料を使用している。シャリには、大分の風土に合わせた特別な米を採用。カウンター越しに供される「豊後前」の鮨は、土地ならではのものだ。
アルコールはペアリングも用意されているので、近海の魚に合わせて地酒を楽しみたい。

上/白木のカウンターが美しい「豊後前 霧翠」では職人が目の前で鮨を握ってくれる。下/お任せのコースでは、握り鮨のほかに関アジなどを使った郷土料理「りゅうきゅう」をアレンジしたシグネチャーの一品「霧翠」などが登場。

アクティブ派もお篭もり派も満足できる滞在

時間があれば、周辺の温泉地に足を延ばすのもおすすめだ。
明礬温泉では、江戸時代から続く“湯の花小屋”が今も稼働している。鉄輪温泉には共同浴場が点在し、薬草を使った「むし湯」では、石室に横たわって蒸気の熱をからだに取り込む温浴体験ができる。

ホテルでゆっくりしたい人は、インフィニティプールでのんびりするのも良いだろう。

屋外のインフィニティプールは通年27℃を保っており、年間を通じて利用することが可能。

温泉とともにくらす別府にある「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」は、ホテルに滞在しながらその自然と文化を全方位的に体感できるホテルである。