2019年に開業した「インターコンチネンタル横浜Pier 8(ピアエイト)」は、港町・横浜を象徴する埠頭に建つアーバンリゾートホテルです。Kアリーナやぴあアリーナ、パシフィコ横浜といった大規模施設へ徒歩圏内という便利な立地、館内のどこからでも海が望めるロマンティックなロケーション。ビジネスでもレジャーでも、慌ただしい日常を忘れさせてくれる時間がここには流れています。【2025年9月時点情報】
Photo:Tadahiko Nagata
Edit&Text:Misa Yamaji(B.EAT)
横浜の歴史を感じる港に誕生
「インターコンチネンタル横浜Pier 8」は、その名のとおり、埠頭の上に建つホテル。
三方を海に囲まれた立地は、港町・横浜ならではの景色を味わえる特別な場所です。
この立地が特別なのは風景だけではありません。
横浜は1859年、江戸末期の開港の歴史とともに独自の文化を発展させていきますが、ここはまさにその中心となった場所でした。
ホテルから歩いてすぐの赤レンガ倉庫や、中華街は当時の面影を今に伝えている場所の代表でしょう。
ホテルに隣接している「ハンマーヘッドクレーン」は大正時代に建設された日本初の湾港荷役専用のイギリス製クレーン。現在は本来の役目を終えていますが、観光施設として再生され、赤レンガ倉庫や中華街とともに、この街のルーツを伝える風景のひとつとなっています。
ホテルはまるで海に浮かぶ客船のよう
そんな歴史と特別な景観に恵まれた「インターコンチネンタル横浜Pier 8」は、寄港している客船のような趣のホテルです。
まず目に飛び込んでくるのは、ホテルのアイコンの螺旋階段。波のうねりを思わせる流麗な曲線がゲストを迎え入れ、非日常へ一気に引き込みます。
客室は木の温かみあるインテリアに船の丸窓を彷彿とさせるミラーがアクセント。まさに客船のようなしつらえに、旅情感がぐっと高まります。
全173室の客室は、すべてが46平方メートル以上の広さ。スタンダードタイプの「クラシック」の部屋にも、ベッドルームに続く小さなリビングスペースが設けられ、ゆとりある造りになっています。
部屋のカテゴリーは、クラシック、ジュニアスイート、コーナースイート、シグネチャースイートの4タイプ。
クラシックタイプの部屋の眺望は、馬車道側向き、みなとみらい向き、ヨコハマハーバー向きがあり、宿泊時には希望を伝えることができます。
それぞれ魅力的な眺望ですが、なんといってもおすすめは、海に浮かんでいるような気持ちになれるみなとみらいビュー。これぞ横浜港という景色が目の前に広がり、朝日にきらめく海、ビル群の夜景と1日を通じてさまざまな表情を見せてくれます。
ハンマーヘッドクレーンを間近に見ることができるヨコハマハーバービューもこのホテルでしか味わえない景観でしょう。夜、ライトアップされて別の表情を見せる歴史的遺構は、工場夜景に通じる美しさがあります。
緑豊かな中庭を望むジュニアスイートは、海に面してはいませんが、都会のオアシスのような静けさに満ちています。部屋の広さと、プライベート感を重視する方にはこちらも人気です。
10室だけのコーナースイートは文字どおり、二面から海景を楽しめる贅沢な造り。リビング、ベッドルーム、バスルームとすべての空間から海を眺められます。
窓を開ければ潮風が頬をなで、時折聞こえるのは船の汽笛とカモメの声。日常から離れ、海とともに過ごす時間がここに流れています。
港町・横浜らしい景色を味わえる部屋は、人目を気にせず快適に食事を堪能できる特等席。レストランではなく、ゆっくりとルームサービスで朝食をとるのもおすすめです。
絶景のレストランに隠れ家スポット。驚きのある食体験
「インターコンチネンタル横浜Pier 8」のレストラン「Larboard(ラーボード)」のテラス席は、横浜の海景を楽しめる穴場。
ガゼボスタイルのソファ席で、横浜ベイブリッジの下を、豪華客船がのんびりと通り抜けていく姿をつまみに、シャンパンなどを楽しむことができます。
隣との間隔も広く、この絶景を前に混雑とは無縁で優雅に過ごせる席は、横浜でも貴重でしょう。
レストランでいただける料理は、西洋文化の影響を早くから受けた横浜に着想を得た“Pier 8キュイジーヌ”。
大きな窓から光あふれる開放的な空間でのランチや、夕暮れの横浜港を望むディナーは、旅の記憶に彩りを与えてくれます。
そして、ホテルには、宿泊ゲストにしかアクセスできない絶景を楽しめる、もうひとつの隠れ家的スペースがあります。
それが屋上の「Rooftop 1859」です。ここは横浜ベイブリッジや横浜みなとみらいの花火を望むことができる絶好の場所。
おすすめの楽しみ方は、ルームサービスで朝食用のピクニックバスケット・Pier-nic(ピアニック)を注文し、このスペースに持ち込んで潮風に吹かれながら朝食やブランチを楽しむこと。海と空に包まれるプライベート感あふれるピクニックは、宿泊者だけが味わえる特権です。
隠れ家といえば、館内の中庭にたたずむ鮨処「かたばみ」も知る人ぞ知る存在。地元の魚を中心に全国から取り寄せた旬の魚を職人が握る鮨をカウンターでいただくことができます。
最近はおまかせ一辺倒な鮨店が多い中、お好みでも注文できるのも嬉しい。
例えばラウンジで軽く前菜とワインを楽しんだあとに出向き、好きな鮨を数貫つまむ――そんな大人の“ホッピング”も、このホテルならではの過ごし方です。
ラウンジの食も充実
「インターコンチネンタル横浜Pier 8」に宿泊するなら、ぜひクラブラウンジアクセス付きのお部屋へ。というのも、こちらのラウンジ、フードの充実ぶりもかなりのものなのです。
朝食からアフタヌーンティー、カクテルタイム、ナイトキャップまで4回のサービスが用意され、正午のチェックアウト時まで利用可能。
内容もユニーク。例えば朝食で人気なのは、クラブラウンジ限定のサーロインステーキ。アフタヌーンティーでは季節のスイーツに加え、趣向を凝らしたセイボリーなど手の込んだ品々が並びます。
夕暮れのカクテルタイムにはパスタなどしっかりとした料理がテーブルサービスとして運ばれ、前菜やサラダ類はハーフビュッフェスタイルで楽しめます。
窓の外に広がる港の景色とともに、時間ごとに変わる横浜の表情を味わえるのも、このラウンジの魅力です。
港町らしく海から街へ
1泊目は館内でのんびりと過ごしたなら、2日目は横浜の街を楽しむのもいいでしょう。
ホテル目の前の新港ふ頭さん橋には、水上バス「シーバス」が発着しています。船に揺られながら海から眺める横浜の景観は、陸上とは異なる趣。山下公園で下船し、中華街を散策しながら夕食を楽しむ小さな旅もおすすめです。
Kアリーナやぴあアリーナ、パシフィコ横浜といった大規模施設へ徒歩圏内という立地は、ライブやコンベンションの前後泊にも最適。
また、都内から横浜までは、海を感じる気持ちのよいドライビングコースでもあります。
ホテル滞在を目的に訪れれば、夕景や夜景を望むディナー、窓辺でグラスを傾けるひととき、そして静かな港を眺めながら迎える朝食まで―特別なひとときがあなたを迎えてくれます。
このホテルの魅力
- 港町横浜ならではの景色を満喫できる、埠頭に建つアーバンリゾートホテル。内装も客船を想起した造りで、船のようなディテールが旅の気分を盛り上げる。
- 客室はスタンダードタイプの「クラシック」の部屋でもゆとりあるスペース。みなとみらいや横浜港を部屋から眺めてルームサービスの朝食を楽しむことができる。コーナースイートなら、すべての部屋から海を眺めることができる。
- レストランでも、テラス席から横浜港の景色を楽しめる。
最上階には宿泊客しかアクセスできないスペースもあるので、ここで軽食を楽しむのもよい。静かに食事を楽しみたい人には、江戸前の鮨処「かたばみ」があり、お好みを注文して地元神奈川県のお酒とともに過ごすひとときもまたよし。 - クラブラウンジでは、1日4回フードプレゼンテーションがあり、時間によって変わる海の景色を眺めながらラウンジならではのメニューを楽しめる。