ニセコに誕生した、世界基準のハイエンドなマウンテンリゾートで優雅な滞在を

世界の富裕層の社交場となる冬のマウンテンリゾート。例えばスイスのサンモリッツや、フランスのクーシュベルには、レストランやバー、プールやスパなどを備える五ツ星ホテルがいくつもあります。ニセコに2020年「パーク ハイアット ニセコ HANAZONO」が登場し、そんな世界的マウンテンリゾートの雰囲気にぐっと近づきました。世界の富裕層を魅了する、ホテルの全容を取材しました。

Photo:Hiroto Miyazaki
Text:Misa Yamaji (B.EAT)

世界のスキーリゾートに肩を並べる、ニセコ随一のラグジュアリーホテル

欧米の富裕層の冬の楽しみは、ラグジュアリーなマウンテンリゾートでのバカンス。彼らは、フランスのクーシュベルや、スイスのサンモリッツなどにバカンスに出かけ、長期滞在し、仲間たちとスキーをしながら社交を楽しみます。

そんな歴史ある欧米のマウンテンリゾートには、彼らが定宿にしているラグジュアリーホテルが多くあります。例えば、クーシュベル。フランスとイタリアの国境にある小さな街ですが、なんと五ツ星ホテルは20軒(パラスホテルが3軒)、ミシュランの星付きレストランは8軒もあります。

昼間はホテルからスキーイン&アウトでパウダースノーのゲレンデを思う存分楽しみ、アフタースキーは温泉やスパでからだを整え、夜はドレスアップしてミシュランガイド星付きレストランで優雅にディナー。朝はプールでからだを動かしてから、またゲレンデに飛び出す・・・。

雪に恵まれた日本も、スキーを楽しむ文化はありましたが、そんな富裕層の社交目的となりえるようなラグジュアリーなマウンテンリゾートと呼べる場所は、ここ数年前までほとんどありませんでした。

グリーンシーズンは、緑豊かな山を借景としたすがすがしい景色が望めるロビー。

ニセコに2020年開業した「パーク ハイアット ニセコHANAZONO」は、そんな世界的なスキーリゾートをホッピングする世界のVIPが、欧米と同様の上質なサービスでストレスなくスキーを楽しめる、日本初の大型ラグジュアリーホテルといってよいでしょう。

ニセコでスキーをするときの中心地となるのが、“ニセコ・ユナイテッド“です。ニセコ・アンヌプリの裾野に広がる、「ニセコ東急 グラン・ヒラフ」、「ニセコビレッジスキーリゾート」、「ニセコアンヌプリ国際スキー場」、「ニセコHANAZONOリゾート」の4つのスキー場からなります。

「パーク ハイアット ニセコHANAZONO」は、多様なコースで人気の「ニセコHANAZONOリゾート」内にあります。ホテルのスキーバレーからのスキーイン&アウトはもちろん、「HANAZONO GOLF」に隣接しているため、グリーンシーズンゴルフを楽しむにも絶好の場所です。

パーク ハイアットのホテルとレジデンス。

160室の客室とレジデンスに温泉、レストランやバーなどが10軒にカラオケ用個室まで要する充実ぶり。「パーク ハイアット 東京」、「パーク ハイアット 京都」など、小規模かつ密やかでインティメイトなイメージからすると、少々異質に感じるかもしれません。

しかし、一歩ホテルに入ってみればそこは別世界。静寂が広がり、天井の高い館内にはアート作品が点在。スタイリッシュなインテリアや細部までこだわったディテールも含め、そこには確かに「パーク ハイアット」に共通する、凛とした空気が流れています。

「キングベッドマウンテンビュー」の部屋。客室は、すべて65m2以上という贅沢な作り。

スタンダードな「キングベッド」カテゴリーでもトイレは2つ、セカンドシャワールームも完備。ゆったりとしたリビングとダイニングルームがあり、さらにフルサイズのダブルベッドにもなるソファを配置しているため、二人はもちろん、四人で宿泊しても十分な広さ。この広さと快適さは通常のホテルのジュニアスイートレベルといっても過言でないでしょう。

温泉付きのお部屋を希望する場合は、温泉付きのスイートルームからチョイスを。「シグネチャースイート」なら、ルーフテラスの温泉の源泉が満たされた半露天風呂を独り占めできます。

ちなみに、通常の部屋は温泉ではありません。温泉を楽しみたい方は、サウナ完備の温泉大浴場でゆっくりと温泉を楽しめます。

レベルの高いスパやレストランなども館内に

静けさに満ちた、スパの入り口。

世界のラグジュアリーなマウンテンリゾートで欠かせないのが、レベルの高いスパやミシュランガイド星付きレストラン。オフスキーの時間も最高のレベルを求めるゲストに応えるコンテンツは必須なのです。

「パーク ハイアット ニセコHANAZONO」の魅力は、こうした点でも世界レベルと引けをとらないことにあるでしょう。

プライベート温泉付きのスパルーム。

スパは、プライベート温泉付きのカップルルームで「パークハイアットニセコ シグネチャーエクスペリエンス」を。

こちらは源泉の温泉でからだを温めてから、アロマオイルでボディトリートメントをじっくり90分受けるプログラム。毎年冬にスキーを楽しみに訪れるゲストが、毎日予約をするほどの人気です。日本ハッカなどを使った独自のオイルを使った確かな施術は疲れたからだをすっきりとさせてくれます。

そして、前述したように、こちらのホテルはレストランのラインアップも非常に魅力的。中国料理の「チャイナ キッチン」、炉端焼き「炉端」、鉄板焼き「鉄板」、金沢のミシュランガイド一ツ星の鮨屋「鮨 みつ川」など多彩なレストランがありますが、筆者のおすすめは、北海道のミシュランガイド三ツ星レストラン「モリエール」直営の「モリエール モンターニュ」です。

洗練された山小屋を彷彿とさせる木のインテリアが心地よい。

こちらでは、北海道の食材の魅力をシンプルな調理法で引き出す「モリエール」の料理を、よりワイルドにダイナミックにいただくことができます。

山口正宏シェフ。「モリエール」中道博シェフのもと、同店で10年以上勤務し、「モリエール モンターニュ」開店と同時にシェフに就任。

最初に登場する、薄くスライスした生ハムの前菜や帆立のフリットなどの前菜は、ワイルドに手でつまんで食べるスタイル。

温度を大切にし、“熱いものは熱く、冷たいものは冷たく”という徹底した姿勢を貫き、ブロッコリーでさえも、ゆでたてアツアツを出すことで、芳醇な香りに包まれたご馳走に仕立てるのは「モリエール」同様です。

フロマージュブランに、北海道のウニ、コンソメゼリーとオクラのすり流しを重ねた一皿。それぞれの食材の持つ香りや味を塩のみで引き出す。

北海道らしいウニや、毛蟹などの料理に続き、メインの美瑛豚が、火の入った炭とともに器ごと登場。いい香りの煙が立ち上るさまが食欲を増進させます。

取り皿の上には、ニセコの名物でもあるじゃがいも“キタアカリ”を丸ごとローストし、豚足と合わせたものが。香ばしい肉とともにいただけば、これぞ“山のご馳走”と唸る味わいです。

ポロネギや玉ねぎ、ジュニパーベリーなどで肉をマリネし、炭火で焼いた美瑛豚。コースによって十勝牛や鹿になることも。

スキーシーズン前の秋なら、ニセコの野菜やキノコなどたくさんの山の恵みも登場するとのこと。宿泊のゲストはもちろん、外来からのゲストの予約で人気のため、訪れる場合は事前予約を忘れないでください。

夜も朝も、大人の楽しみが待っている

優雅なディナーのあとは、部屋に戻る前に、ぜひバー&シガーラウンジへ立ち寄ってください。

ラウンジから続くスペースにある、「ザ・バー」&「シガー・ラウンジ」。

大人の雰囲気が漂うスタイリッシュなカウンターで、まずは一杯。

ここでは、品揃え豊富な北海道のジャパニーズウイスキーもいいけれど、趣向を凝らしたカクテルもおすすめ。ニセコの豊かな表情を見せる四季に創作インスパイアされたカクテルは旅の記憶をより深くする媚薬となるでしょう。

左/季節のカクテル「紅葉」。余市ウイスキーと赤ワインを融合させた複雑な深い味わいのあるカクテル。煙の香ばしい香りづけが深まる秋を予感させる。右/シガーバーでは、常時23種類前後のシガーが揃う。

また、シガー好きなら、バーの奥にひっそりとあるシガーコーナーへ。ここではなかなか手に入らなくなった貴重なキューバ産のシガーが種類豊富に揃います。好みの一本を選び、煙をくゆらせながらニセコの夜をじっくりと楽しんでみる。そんな時間もまた贅沢です。

ぐっすり眠った翌朝は、素晴らしい朝食が待っています。

洋食なら、卵はもちろん、地元の採れたて野菜のサラダや果物から、ピエール・エルメのヴィエノワズリーやスイーツが待っています。和食気分のときは、炊き立てのごはんに真狩村の湧水で作った人気の豆腐「真狩豆腐工房」の豆腐や納豆をどうぞ。中国料理ならば、「チャイナ キッチン」から運ばれる点心や麺類が並びます。

そのラインアップの豊富さもまた、海外のラグジュアリーリゾートを彷彿とさせます。

美食に、温泉に、スパに、プール、そしてニセコならではの大自然。ステイはぜひ2泊3日以上で。長くステイしてもまったく飽きない心地よさは、スキーシーズンはもちろん、グリーンシーズンでもここのホテルを選びたくなる魅力にあふれています。

このホテルの魅力

  • 4つのスキー場からなる「ニセコ・ユナイテッド」のうち、「ニセコHANAZONOリゾート」内に位置し、夏場はゴルフを楽しむにも絶好の場所。
  • 2020年に誕生した「パーク ハイアット ニセコ HANAZONO」。世界のVIPが欧米と同様の上質なサービスでストレスなくスキーを楽しめる、日本初の大型ラグジュアリーホテル。
  • 160室の客室はすべて65m2以上。スタンダードな「キングベッド」カテゴリーでもトイレは2つ、セカンドシャワールームを完備している。
  • 北海道のミシュランガイド三ツ星レストラン「モリエール」直営の「モリエール モンターニュ」では、北海道の食材の魅力をシンプルな調理法で引き出す「モリエール」の料理を、よりワイルドにダイナミックに楽しめる。
  • スパは、プライベート温泉付きカップルルームでの「パークハイアットニセコ シグネチャーエクスペリエンス」がおすすめ。源泉の温泉でからだを温めてから、アロマオイルでボディトリートメントを90分受けられる。