世界的なホテルブランド“リッツ・カールトン”から、自然に触れられる“世界の聖地”を楽しむためのホテルとして2009年に誕生した新しいブランド「リッツ・カールトン・リザーブ」は、世界にまだ7軒しかありません。そのうちの一つがニセコに2020年末オープンした「東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトン・リザーブ」。パウダースノーに恵まれる冬はもちろん、夏や秋に楽しめる大自然や食の楽しみにも恵まれるニセコはまさに“北の聖地”といえるでしょう。そんな聖地に建つホテルを紹介します。
Photo:Hiroto Miyazaki
Text:Misa Yamaji (B.EAT)
羊蹄山の麓に抱かれた聖地で癒される
9月も半ば。まだまだ暑くてせわしない都会を抜け出し、涼しくて、気持ちのいい場所にエスケープしたい。そんなあなたにぜひおすすめなのが、スキーシーズンに入る前のニセコです。
ニセコと聞いて真っ先に思い浮かぶのが、パウダースキーが楽しめる国際的なスキーリゾートでしょう。しかし、最近はグリーンシーズンの素晴らしさにも注目が集まっているのをご存知でしょうか。
東に国立公園羊蹄山、北に国定公園ニセコアンヌプリの山岳。さらに清流日本一にも選ばれた尻別川が町の中央に流れるという、日本有数の大自然に囲まれたニセコ町。グリーンシーズンと呼ばれる4月から10月のニセコは、ゴルフはもちろん、ラフティングやサップといった川や湖などでのレジャーも豊富。この時期ならではの新鮮な野菜や魚介、果物などの食の魅力がぐっと色濃くなります。少し涼しくなってきた今ならば、多彩な泉質の温泉をホッピングして楽しむのもいいでしょう。
さらに、こうした日本が誇る手つかずの自然を存分に味わえるエリアでありながら、ワールドクラスのラグジュアリーホテルや、洗練のレストランが揃っているところも魅力的。
世界中のジェットセッターを魅了するニセコの秋は、深まる紅葉とともにグリーンシーズンの名残を味わえ、本格的なスキーシーズン前の静かな雰囲気で自然に抱かれる素晴らしい季節なのです。
そんなニセコの深まる秋を大自然とともに感じられるラグジュアリーホテルが、「東山ニセコビレッジ・リッツ・カールトン・リザーブ」です。
「リッツ・カールトン・リザーブ」は、2009年にリッツ・カールトンから派生して誕生したブランド。
“エンド・オブ・ジ・アース”をテーマにし、地球の最果て…つまりは“手つかずの自然が生み出す聖地”に建ち、個性が際立つホテルにのみ名乗ることが許されます。客室数はいずれも50室から100室までのスモールラグジュアリーホテルで、現在全世界で6軒しかありません。
2020年にオープンした「東山ニセコビレッジ、リッツ・カールトン・リザーブ」の眼前に広がるのは、“蝦夷富士”と異名を持つ羊蹄山と、その裾野に広がる原生林。その美しき風景はニセコが国際的なリゾート地に変貌する前から、アーティストや地元スキーヤーたちの心をとらえて離しませんでした。
まさに、「リッツ・カールトン・リザーブ」の掲げる“エンド・オブ・ジ・アース”という称号にふさわしい場所だったといえます。
おすすめは羊蹄山ビューの客室
客室は50室。ここにはプールやエグゼクティブラウンジなどはありません。けれど、代わりにニセコらしい絶景に温泉、そしてインティメイトなホテルならではの心地よさと静けさ、リッツらしいきめこまやかなサービスを味わえます。
「リッツ・カールトン・リザーブ」らしさにどっぷりと浸りたいなら、ぜひ羊蹄山ビューを予約しましょう。窓の外には、雲と太陽によって刻々と表情を変える羊蹄山の麓に広がる森を眺められます。人工的な建物がほとんど見えないため、世界的なマウンテンリゾートにも引けをとらない絶景が眼前に広がります。
特筆すべきは、客室の黒い石造りのお風呂からもこの絶景を眺めることができること。稀有なシチュエーションは、『Travel +Leisure』の“2021年世界のベスト・ビューバス”のひとつにあげられるほど。部屋のお風呂は温泉ではありませんが、ゆっくりと浸かればニセコの水の柔らかさに包まれてリラックスしていくのがわかります。
部屋は“花鳥風月“というコンセプトのもとに、自然にまつわるアートやモチーフが散りばめられています。目の前の自然に溶け込むようなナチュラルな雰囲気のゲストルームはいつまでいても飽きません。
ニセコ時間を滞在で優雅に楽しむ
ロビーと緩やかにつながる「うめラウンジ」もまた、スモールラグジュアリーホテルならではの心地よい空気感に満たされています。
窓の外に目をやれば、緑のグラデーションを作る木々が風に揺れる様が。こちらでも自然を身近に感じることができるでしょう。ロビーとバー、そしてレストランとあえて壁を作らず、エリアをはっきりと分けていない作りは、行き交うホテルのスタッフや、ほかのゲストとも自然と会話が始まるようなリラックスした雰囲気です。
ラウンジでぜひ飲んでいただきたいのが、最近注目されている北海道のジャパニーズウイスキーやジン。
いずれも生産本数が少なく、道外ではなかなか飲むことができないレアなラインアップも多く揃っています。
北海道の希少なウイスキーやブランデーを飲み比べるという機会はなかなかないもの。その土地で作られた酒を、その土地で飲む楽しみは旅の醍醐味のひとつでもあります。
また、ニセコらしい体験として外せないのが温泉。ホテルの大浴場では、東山温泉の天然温泉が楽しめます。疲労回復の効果があると言われている泉質は、ゴルフやアウトドアのアクティビティの心地よい疲労を、癒してくれるでしょう。
温泉で温まった後には、「スパ・チャシ・ラ・ソティス」でスパトリートメントをぜひ。こちらはリッツ・カールトン共通のESPAではなく、フランスのオーガニック・ブランドSothysを使用。自然由来の効果を感じるなら、フェイシャルメニューがおすすめです。
ニセコ近郊の海の恵みと山の恵みを楽しめるダイニング体験
ホテルのダイニングでは、ニセコのグリーンシーズンの魅力を存分に味わえる場所が二カ所あります。
海の恵みは「寿司なぎ」、山の恵みなら「ゆきばな」。ニセコの美味をその日の気分でチョイスできるのは魅力的です。
「寿司なぎ」では、札幌の中央市場から仕入れるマグロやコハダなど、王道のネタに加え、余市や積丹、小樽などから届く、道産の新鮮な魚介がネタに揃います。酢飯に使う米は、蘭越で栽培されているななつぼしを使用し、北海道ならではの江戸前寿司に舌鼓を打つことができるのです。
一方、「ゆきばな」では、ニセコ特産のじゃがいもなどをはじめ、地産の野菜や果物、きのこを使ったメニューが登場。夏から秋にかけては特に、ニセコの野菜の魅力をたっぷりと味わうことができるでしょう。ひと口食べて感じる、みずみずしさと香りはここだけのご馳走です。
ジョスパーオーブンで焼く、香ばしい牛肉のグリルも人気。ぜひ、たっぷりの野菜とともに注文してください。
あなたの旅をプランニングしてくれる「Dosan」
ホテル滞在もいいけれど、ニセコの土地をもっと楽しみたい。そんな時には、「Dosan(道産)」に相談を。
「Dosan」とはゲストの旅を豊かにプランニングするパーソナルアシスタントのこと。「リッツ・カールトン・リザーブ」では、よりパーソナルなおもてなしをと、それぞれの土地のホテルのコンシェルジュに親しみをこめた名称がつけられているのです。
秋であれば、紅葉に彩られるパノラマラインのドライブや、ニセコ蒸留所訪問や、余市のワイナリー巡りなどがおすすめとのこと。
冬はもちろん、スキーをぜひ。ホテルのシューロッカーから外に出ればそこはもう“ニセコビレッジ”のゲレンデの目の前。現地にくらし、山をよく知る当リゾートのエキスパートチーム「東山リザービスト」が、ゲレンデでの一日や夜に必要なものを用意し、あなたを白銀の世界へ誘ってくれます。
このホテルの魅力
- 世界にまだ7軒しかない、2009年に誕生した新しいブランド「リッツ・カールトン・リザーブ」の一つとして2020年末オープン。
- 東に国立公園羊蹄山、北に国定公園ニセコアンヌプリの山岳。さらに清流日本一にも選ばれた尻別川が町の中央に流れるという、日本有数の大自然に囲まれたニセコ町に佇むホテル。
- 客室は50室で、お勧めは羊蹄山ビューのお部屋。リッツ・カールトンとは別ブランドのため、家具やマットレスなども独自のものを採用。マットレスは、アメリカのキング・コイル社のもの。
- カウンター7席の「寿司なぎ」では余市や積丹、小樽などから届く、道産の新鮮な魚介が楽しめる。オールデイダイニングの「ゆきばな」ではニセコ特産の野菜や果物、きのこを使ったメニューが人気。
- バーには、北海道のジャパニーズウイスキーやジンなど生産本数が少なく、道外ではなかなか飲むことができないレアなラインアップも多く揃っている。
- 大浴場では、東山温泉の天然温泉が楽しめ、「スパ・チャシ・ラ・ソティス」ではフランスのオーガニック・ブランドSothysを使用したトリートメントをご用意。