ここはモナコ?週末は、愛車と滞在すれば楽しさ倍増の「富士スピードウェイホテル」へ

週末は愛車を駆ってどこかへ旅したい。そんなあなたへ今おすすめしたいのがLEXUS LUXURY HOTEL COLLECTIONのひとつ「富士スピードウェイホテル」です。ヨーロッパのマウンテンリゾートのような優雅な空間に宿泊しながら、サーキット走行の体験や、ショーガレージ越しの愛車を眺めながらワインを傾けるという、クルマを偏愛する大人が少年のようにはしゃいでしまう魅惑の体験が待っています。愛車とともに過ごす1泊2日をご紹介しましょう。

Photo:Akiko Sato
Text:Misa Yamaji (B.EAT)

10時、「富士スピードウェイホテル」に到着

私たちの生活に彩りを与えてくれるクルマ。目的の場所へ行くための便利な手段でもありますが、時には、愛車をただ走らせるということに喜びを感じることもあるでしょう。そんなクルマとともに楽しむ旅先としてご紹介したいのが「富士スピードウェイホテル」です。

富士スピードウェイは、日本に二カ所しかないF1の試合が開催されるFIA(国際自動車連盟)のグレード1のサーキット。そのすぐそばに誕生した「富士スピードウェイホテル」は、その名前からして、“ゴリゴリのモータースポーツ好きしか楽しめないのでは?”と思い込んでいた人もいたのではないでしょうか。

いやいや、それはもったいない!実はこちら、クルマ好きはもちろんのこと、誰もがモータースポーツを文化として体感できるラグジュアリーホテル。しかも、都心から近いため、1泊2日でも存分に楽しめる週末旅にぴったりの場所なのです。

ホテルは「富士モータースポーツミュージアム」と一体化しているユニークな作り。

目的地まではもちろんクルマで向かいましょう。現地に到着するまでのドライブは、愛車とともに旅を楽しむ序章です。土曜の朝、都心から8時ごろに出発し、御殿場までクルマを走らせれば2時間ほどで「富士スピードウェイホテル」に到着します。

クルマを地下駐車場に停めてエレベータでロビー階へ。扉が開けば、そこからは大人が夢中になるワンダーランドの始まりです。

クルマをモチーフにしたアートピースが並ぶ通路を抜けて、最初に現れる“Wow!”は、レセプションの階下に広がる美しいクラシックカーの展示。実はなんと、ホテル内に「富士モータースポーツミュージアム」があるのです。宿泊者ならば、優待料金(大人ひとり1,300円、中高生ひとり650円、小学生ひとり450円)で入場が可能。黎明期のクルマから、レーシングカーまで40台近くが展示されており、約130年にわたるモータースポーツの歴史を辿ることができます。

レセプションを挟んで、富士山ビュー、サーキットビュー両方が楽しめる。

続いて、レセプションに到着すると「富士スピードウェイホテル」の魅力のひとつがあなたを迎えてくれるでしょう。そう、それは絵に描いたような富士山!

天気のよい日は、ダイニング、ラウンジからも間近に富士山が見える。

通常のチェックインは15時からですが、早めの出発をすすめる理由は、前出のミュージアムの見学に加え、霊峰・富士山のパワーを感じながらのカフェタイムや走行会など、チェックイン前でも楽しめるコンテンツが充実しているから。時間が来るまでコーヒーを飲んだり、ミュージアムを見学したりと思い思いに過ごしてください。

サーキット? 富士山? それとも愛車? いずれも捨てがたい客室のビュー

「サーキットビュー GPスイート」のベッドルーム。寝転がりながらサーキットを眺められる。

そして、宿泊する部屋。このホテルにはサーキットビュー、富士山ビュー、ヴィラとまったく違う趣向の3タイプがあります。刺激的なサーキットビュー、静かな富士山ビュー、愛車と対峙するヴィラとどれも魅力的ですが、ここでしか味わえないユニークな体験をするなら、モータースポーツの高揚感に包まれる「サーキットビュー」がおすすめです。

ホテルが建つのは、富士スピードウェイの最終コーナー脇。

見てください、この景色!ベランダの目の前は、富士スピードウェイの見せ場、日本一長い1.5kmの直線コースに入る直前の最終コーナー“パナソニックコーナー”。公式レースがなくても走行会などがほぼ毎日あるので、日中は迫力あるクルマの走りを間近に感じ、高鳴るエンジン音に浸ることができます。もちろん大会がある日は、一番の勝負どころを目の前で独占できる特等席になるのは間違いありません。(ただし、大会の日はすぐに埋まってしまうので早めに予約を)

ベランダでルームサービスを頼み、ゆっくり過ごすのもいい。

ベランダに出て、エンジンの爆音をつまみに、スパークリングワイン“フェラーリ”を傾ければ、ここは、モナコ?と錯覚してしまいそう。モナコグランプリの“フェアモント・ヘアピン”前に建つホテルからレース観戦をするセレブリティになった気分で、ドレスアップして優雅に過ごしたくなるはずです。

「サーキットビュー GPスイートルーム」のリビング。
左/各部屋に備え付けられた館内着やバッグ。靴下のデザインはチェッカーフラッグ。右/アメニティ類は、プラモデルのパーツのように配置される遊び心が。各部屋に備え付けられた館内着やバッグ。靴下のデザインはチェッカーフラッグ。

そもそも、モータースポーツ誕生の黎明期、レースは貴族の嗜みであり、そこから派生して欧州のレース観戦は上流階級の社交場となっていったという歴史があります。ベランダからの眺めだけでなく、上質な家具などがゆったりと配された客室でくつろげば、そんなモータースポーツのルーツを感じ、このホテルが大人の社交場だということを感じるでしょう。

また、部屋にはモーターカルチャーからインスパイアされた遊び心あふれるTIPSがたくさんちりばめられているのも、クルマ好きの心をくすぐります。ベッドボードやダストボックスには贅沢に上質なレザーを使用。アメニティ類の引き出しは開けてびっくり、プラモデルのパーツ?そんな、クルマにまつわる“隠れモチーフ”を見つけるのも楽しみのひとつです。

愛車ととことん向き合いたい人におすすめのヴィラ。ショーガレージ越しに愛車を存分に眺めながら心ゆくまで過ごすことができる。大型犬もOK。

11時30分、愛車でサーキットを走る“体験走行”へ!

そして、このホテルに滞在したら必ず体験してほしいのが、愛車でサーキットを走る“体験走行”です。

富士スピードウェイでは、昼の12時から、自身のクルマで国際レーシングコースを約3周走れる走行会を、不定期開催しているのをご存知でしょうか。ホテルに宿泊するのなら、ぜひ事前予約をして体験走行を。なんと一台2,500円(税込み)の参加費で走行できるのです。

自身のクルマでサーキットに向かう。

本格的なサーキット走行と聞いて、「サーキットでの運転は自信がない」「無理な走行で大切な愛車が、傷んでしまうのでは?」そんな不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

安心してください。こちらの走行会は、オフィシャルカーの先導に従って一列に並び、前のクルマと適切な感覚を保ちながら走行するのでまったく問題ありません。

ヘアピンカーブも、安全走行のため難なくクリア。サーキットからホテルを眺める。

最初の1周は富士スピードウェイのコースの抑揚を確かめながらしっかりと走り、2周目からは少しずつスピードを出して、2週目、3週目で日本最長の1.5kmの直線距離で思い切ってスピードを出してみる・・・。体験走行では、一般車両で160から180kmのスピードを出すことも可能。公道では決して体験することができない愛車の頼もしさや、知らなかった一面を感じることができるでしょう。家族やパートナーなどの同乗もできるので、一緒にエキサイティングな体験をしてみるのもいいですね。

16時、サーキット走行の後は、スパにピットイン

さて、サーキット走行をして思う存分遊んだら日頃のお疲れを温泉とスパで解消しましょう。

別棟にある“Omika Wellness & Spa”にある富士大御神(おおみかみ)温泉に、明るいうちに入れば、絵に描いたような富士山を眺めることができます。しっかりとからだを温めたら、スパの施術へ向かいます。

温泉は、美肌効果があるといわれる硫酸塩泉。
2人同時に施術を受けられるカップルルームも完備。

クルマの“リストア”同様、からだを修復するプログラムにフォーカスしたスパの施術のおすすめは、100分の「OMIKA シグネチャー グリーンティーピュアリチュアル」。静岡県産茶葉と国産海塩をブレンドしたボディスクラブや、備長炭ストーンと季節の緑茶をブレンドした和薬草ボールでゆっくりと温めながらのマッサージを受ければ、心身の緊張がほどけて、からだが整っていくことを実感できます。

19時、静岡の美味を集めたイタリアンでエネルギーチャージ

そして、1日をしめくくる夕飯は、イタリア料理「TROFEOイタリアン」へ。窓の外に広がる、暮れなずむ富士の裾野に広がる森の様子はまるでヨーロッパのマウンテンリゾートにいるかのよう。

ここでは、料理長が静岡で見つけてきた山海の食材をふんだんに使ったイタリア料理がいただけます。

左/開放的な「TROFEOイタリアン」のダイニングルーム。右/スペシャリテのカプレーゼ(2,700円税込み・サービス料別)や、「ピッツァ ビアンケッティ 静岡産しらす 青葱 ケッパー モッツァレラチーズ」(2,600円税込み・サービス料別)などをアラカルトで頼んでシェアがおすすめ。

静岡の名産、アメーラトマトに七富チーズ工房のモッツァレラ、クレアファームのオリーブオイルなど、オール県産食材で作るカプレーゼや、金目鯛を使ったペスカトーレをいただけば、静岡が非常に豊かな食材にあふれていることを感じるでしょう。

2日目9時、朝食後にシミュレーターで富士スピードウェイを走行

滞在2日目、ゆっくりと起きて朝食を楽しんだら、もうひとつ忘れずに楽しんでほしいアクティビティがジムにあります。

目的は、ジムでのトレーニング・・・ではなく、プロのレーサーが実際に練習で使用するドライブシミュレーター、TSK Racing Simulator Transcube Pro。予約をすれば、宿泊者は1室あたり30分枠で存分に遊ぶことができます。実は、このシミュレーター、非常に人気のため、ゆっくり楽しむなら朝の予約が穴場なのです。(チェックイン時に忘れずに予約を)

シミュレーターに使われているハンドルやシートは、実際にレーサーがトレーニングで使うもの。

このシミュレーターでは、コンピューターでランボルギーニ、フェラーリ、ポルシェ、メルセデス、アウディ、トヨタ・・・などの好きな車種を選んで、富士スピードウェイのコースを擬似走行。クルマの選択ごとに、そのクルマのエンジン音、シート角度に振動、ハンドルの重さが忠実に再現され、目の前の景色も変化。実際のクルマに近い感触で運転ができるため、複数の憧れのクルマの走りを比較できるという夢のような体験に、我を忘れて夢中になってしまう人も多いというのも納得です。

この旅を終えるころには、クルマがもっと好きになる

クルマを走らせる楽しさ、観戦する楽しさ、知る楽しさに触れる刺激的な体験と、緑豊かな自然と上質な空間に包まれる極上のホテル滞在が共存する密度の濃い1泊2日。そこにはモータースポーツを文化として楽しむヨーロッパのラグジュアリーホテルで滞在をしたような、充実感があふれていました。

ちなみに、「富士スピードウェイホテル」は、ほかに類を見ないホテルを集めたハイアットのコレクションブランド「アンバウンドコレクションby Hyatt」として日本で初めて誕生したホテル。“ホテルの滞在そのものが、忘れられない旅になる”。そんな体験ができるホテルにだけ冠することを許されたブランドであることを、童心に返りモーターカルチャーに魅了される滞在で実感できるでしょう。

この週末旅を終えるころには、クルマと過ごす毎日がもっと楽しくなるに違いありません。

このホテルの魅力

  • 都心から御殿場までクルマを走らせれば2時間ほどで到着。
  • お部屋はサーキットビュー、富士山ビュー、ヴィラとまったく違う趣向の3タイプがある。刺激的なサーキットビュー、静かな富士山ビュー、愛車と対峙するヴィラとどれも魅力的。
  • イタリア料理「TROFEOイタリアン」では静岡の名産、アメーラトマトに七富チーズ工房のモッツァレラ、クレアファームのオリーブオイルなど、オール県産食材で作るカプレーゼや、金目鯛を使ったペスカトーレがお勧め。
  • 別棟にある“Omika Wellness & Spa”には2人同時に施術を受けられるカップルルームも完備。
  • おすすめは、100分の「OMIKA シグネチャー グリーンティーピュアリチュアル」。静岡県産茶葉と国産海塩をブレンドしたボディスクラブや、備長炭ストーンと季節の緑茶をブレンドした和薬草ボールでゆっくりと温めながらのマッサージが受けられる。
  • ホテル内に「富士モータースポーツミュージアム」があり、宿泊者ならば、優待料金で入場可能。その他サーキット走行体験やプロのレーサーが実際に練習で使用するドライブシミュレーターなどアクティビティも充実。