沖縄で唯一「フォーブス・トラベルガイド」五ツ星を獲得している「ハレクラニ沖縄」。ハワイの本家の雰囲気を踏襲したオーシャンビューの部屋での滞在も素晴らしいですが、沖縄ならではのダイニングエクスペリエンスもわざわざ足を運びたくなる価値あり。4軒あるレストランのなかでも特におすすめしたい2軒をご紹介します。
Photo:Kenji Kudo
Text:Misa Yamaji (B.EAT)
極上のワインと豪快なアメリカン・ステーキを楽しむ「キングダム」
ハレクラニといえば、ハワイの名門ホテルですが、「ハレクラニ沖縄」でハワイの風を感じるレストランが「キングダム」です。
「ウルフギャング・ステーキハウス」「ルースズ・クリス・ステーキハウス」などのアメリカンステーキハウスの名門が揃うハワイ。ハワイを訪れたとき、ボリュームたっぷりのアメリカンスタイルのステーキを食べることを楽しみにしている人も多いでしょう。
「キングダム」では、そんなアメリカンスタイルのステーキさながらの、豪快なステーキを食べることができます。
開放的な店内からは、メインプール越しに海が見え、この南国らしいムードが気分を盛り上げます。真っ白なクロスがひかれたテーブルは、シックで落ち着いていますが、子どもも同席できるのがファミリーには嬉しいところ。
料理は、どれもボリュームたっぷり。アラカルトで好きなものを3〜4種類オーダーし、3~4人くらいのグループでシェアするのがおすすめ。中でも、忘れずに注文してほしいのが、沖縄の海で育った恵みがたっぷりと乗せられた「シーフードプラッター」です。
その日の獲れたての鮮魚が並ぶ、沖縄の海そのものの一皿には、宜野座の車海老に、ホンビノス貝や夜光貝などの貝類、海ぶどう・・・色鮮やかな沖縄らしい魚介類がずらり。王道のカクテルソース、ニンニクのきいたアイオリソースでいただきます。冷えたシャンパーニュや白ワインがどんどん進みます。
そして、メインはもちろん、ステーキです。
「キングダム」では、アメリカン・プライムビーフはもちろん、沖縄県産の黒毛和牛、アルゼンチン産、オーストラリア産など4カ国の牛肉を用意。それぞれの肉の部位と、調理法がメニューに提案されているのですが、3名以上いるならぜひアメリカン・プライムビーフのトマホークステーキがおすすめです。
アメリカではオーブンで焼き上げるスタイルが一般的ですが、こちらは、オーブンに入れる前に炭火で香りをつけながら焼き上げるのが特徴。炭の香りがほんのりとついたステーキは香ばしさが加わり、一層食欲を掻き立てるでしょう。ミントやハーブなどをふんだんに使ったチミチュリソース、バーベキューソースなど3種類のソースにつけながら食べればペロリと平らげてしまいます。
約250種類をストックしているというワインから、好みのものを合わせてぜひ楽しんでみてください。
沖縄のローカル食材をイノベーティブフレンチで楽しむ「シルー」
沖縄は、日本でも独自に食文化が発展し、特徴的な気候風土が育む個性あふれる食材に恵まれています。そんな沖縄ならではの食材を楽しみたい方には、サンセットウイングにある「シルー」がおすすめです。
「シルー」は地産地消をコンセプトに沖縄ならではの食材をイノベーティブフレンチに仕立てるレストラン。こちらの料理は、東京・外苑前にあるミシュランガイド二ツ星レストラン「フロリレージュ」の川手寛康シェフがコンサルティングを務めています。
沖縄独特の食材の本質を引き出した料理は、シンプルで独創的。島の食材、野生のハーブなどをたくみに組み合わせ、南国らしく、かつ洗練された料理に仕上げています。
例えば「島かぼちゃ」という料理では、島かぼちゃの魅力を存分に味わってもらいたいと、コースの一品としてタイプの違う2種の島かぼちゃの料理が登場します。
ちなみに島かぼちゃとは、日本かぼちゃの一種である沖縄在来種のかぼちゃ。オレンジ色のひょうたん型が特徴で水分が多く、一般的なかぼちゃよりも甘みが少なくあっさりとした味わいです。
そんな島かぼちゃを、一種類は岩塩包み焼きにして、かぼちゃの水分を抜いて甘味を凝縮したローストにし、もう一種類は沖縄産チーズと合わせ、エスプーマにしてバニラオイルをひと垂らし。独特のねっとりとした食感をダイレクトに味わうローストに対し、より軽やかにかぼちゃの香りを感じられるエスプーマと、同じ食材ながらまったく違う表情を楽しむことができるのです。
「赤仁ミーバイ」という料理もまた、沖縄ならではの食材が満載の一皿。
ミーバイとはスジアラのこと。沖縄では高級魚として知られる美味しい白身の魚です。このミーバイを日本酒と塩でマリネして、シンプルに炭火焼きにしたものがメイン食材。沖縄もずくとグルクン(こちらも沖縄県の魚)をよもぎのジェノベーゼに合わせて下に敷き、ソースにしていただきます。
添えてあるパパイヤのぬか漬けとマヨネーズを合わせたソースをアクセントに味変しながら食べられるのも面白い。魚のアラはスープを取り、リゾットにして添えています。
ほかにも、シンプルで美しい料理の数々から、沖縄の風を感じることができます。
ハレクラニ沖縄には、ご紹介した2軒以外にも、日本料理、オールデイダイニング、バーがあり、宿泊者はもちろん、外来のゲストでも楽しむことができます。ぜひ沖縄へ訪れた際に、足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
このホテルの魅力
- 沖縄で唯一「フォーブス・トラベルガイド」五ツ星を獲得。
- 「キングダム」では、アメリカン・プライムビーフはもちろん、沖縄県産の黒毛和牛、アルゼンチン産、オーストラリア産など4カ国の牛肉を用意。その日の獲れたての鮮魚が並ぶ、「シーフードプラッター」も前菜としてお勧め。
- 地産地消をコンセプトに沖縄ならではの食材をイノベーティブフレンチに仕立てるレストラン「シルー」。島の食材、野生のハーブなどをたくみに組み合わせ、南国らしく、かつ洗練された料理が魅力。
- ご紹介した2軒以外にも、日本料理、オールデイダイニング、バーがある。